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2021.2.5(金)今年初の新曲配信

今日も眩しい日差しが暖かかった。




夕方、今年最初の作品「 Trance-Quility」(トランスキリティ・幽玄)を配信開始。


*フルで試聴できるので、ひとまず聴きながら読み進めてみてください。 「buy」ボタンから投げ銭もできます。



今回はアンビエント。4曲・全31分40秒のインストアルバム。昨年秋から発表は意識せずに、自分の心を落ち着かせるためにこんなアンビエント曲をたくさん作ってきた。


コロナ以降、こういう静かな曲を創ることは自分にとってのセラピーでもあった。それは心を踊らせるために音楽を作ってきたポップスとは違う。日々のホッとする時間や、読書のBGM、眠れない夜など、様々なシチュエーションに寄り添うための、アロマ(お香?)のような音楽(運転中は眠くなるので要注意・笑)。


以前から、インスト曲をつくるときは「HAAS a.k.a. Hiroshi Takano」名義を使ってきた。たとえば、お菓子研究家のいがらしろみさんのレシピと一緒に作った「Music for Breakfast」。配信だとレシピが読めないのがもったいない。





今回は歌詞がないので、特典のブックレットは写真集にした。言葉は少ないほうがイメージが広がる。曲を聴きながら、最近の撮り下ろし写真からアルバムのイメージに合った25枚をセレクトしてみた。ダウンロードの後、pdfファイルから写真を印刷することもできるので、曲を聴きながらゆっくりページをめくってもらえれば。


ぜひ、いつもと違う時の流れを感じてみてください。






(*以下、noteで書いた文をエディットしています)


このアルバムをリリースしているプラットフォーム・bandcampは、コロナ禍の救済策として2020年5月から毎月第一金曜日〜土曜日の24時間に、手数料なしで売上を全額アーティストに還元するキャンペーン「bandcamp friday」を続けていて、今日がその第一弾だった。


去年はそのタイミングに合わせて夏以降ずっと新作を発表し続けてきた。作り続けるモチベーションにもなったし、経済的にも助けられた(感謝!)。


bandcampは2007年からあるインディーズアーティスト向けの配信プラットフォーム。サイトが日本語されるのが遅かったこともあって日本ではそれほどポピュラーではないが、サブスクやCDでは流通していない、ここでしか聞けない面白い作品が沢山聞ける。


アーティスト側の設定にもよるが、ここにUPされている曲の大半は無料で全部聞けてしまう。基本無料なのはSoundCloudやYouTubeと同じだが、YouTubeと違ってbandcampには広告は一切入らない。


ユニークなのは、それぞれの楽曲やアルバムにはアーティストが自由に値段をつけることができて、定価、もしくはそれ以上の価格でダウンロードできたり、オマケのファイルをゲットできたりする。


「基本無料、気に入ってくれたら課金を」というフリーミアムのスタンスは元々ネット上には当たり前に存在していたが、当初は性善説に基づいて「どうぞご自由に、気に入ってくれたら寄付を」というやり方が中心だった。(例えばWikipediaはいまでもそのスタイル)


ところが近年は、同じフリーミアムでも「無料のままだとストレスを感じるので課金したくなる」というビジネスモデルに落とし込まれているものが大半を占めるようになってしまった。仕方ないが、世知辛い。


いつしかYouTubeには広告が頻繁に入るようになり、善意の循環というより一攫千金を狙うムードに支配されるようになった。音楽プラットフォームもSpotify, Apple musicを中心とした定額制がスタンダードになった。(Spotifyは無料でも聴けるが、僕はストレスが強かったのですぐ課金した)


そして2020年、世界はコロナ禍に。窮地のライブハウスや劇場などを、みんながクラウドファンディングで助け合った。そんな時代のムードにbandcampのやり方が再びフィットしてきたように感じた。


来月以降も、リリースを続けます。


*「Bandcamp friday」は毎月第一金曜日の日本時間17時からの24時間、全ての売上が手数料なしに100%アーティストに還元されます。今回リリースの作品に限らず、高野寛bandcampにUPされている全ての楽曲に適用されます。この機会に是非チェックしてみてください。







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