Bandcamp Fridayに配信した新作「Music for Coffee Break」。今回もたくさんの人に聞いてもらえた。よかった。ありがとう。引き続き配信中です。
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そして迎えた土曜日。宮沢和史「次世界」発売記念ライブ。東京の緊急事態宣言の2週間延長が決まったばかりのタイミングだったが、久しぶりに、本当に久しぶりにバンドのギタリストとしてデカい音でギターを鳴らした。
初顔合わせのバンドメンバーは、リハ初日からとてもいい感じで、本番のこの日がとても楽しみだった。そして、5年前に一度ステージを降りたMIYAと、久しぶりにまた同じ舞台に立つ。
配信のない普通のライブ自体が、約5ヶ月ぶりだった。未だ歓声はマスクの中に「自粛」されたまま、客席に許されるのは拍手、立ち上がること、そして手を振ることだけ。もどかしいね。
EXシアターには何度かゲストで出たことがあった。その時は、「小綺麗だけど会場の響きが少ない、ちょっとやりづらい会場」という印象が正直あった。
音楽の世界では、残響がよく響く会場のことを「ライブ」、響かない会場のことを「デッド」という。ライブ=生、デッド=死という形容が使われているのだから、響かない会場は音楽にとって好ましくない、という感覚が(西洋音楽的な価値観には)あるんだろうし、ずっとアコースティックな響きを楽しみながらライブを続けてきた自分も、そう思っていた。
でも昨日は全く違った。あの記憶は何だったんだろう?と不思議に思えるくらい、リハーサルで音を出した瞬間から本番を終えるまで、やりづらさなど微塵も感じなかった。余分な響きがないことで重厚なバンドのサウンドが見えやすかったからかもしれないし、無観客配信に慣れたおかげで、曲間の静寂に動揺しなくなったからかもしれない。そして、バンドで大きな音でライブをすることが、どれだけ特別で非日常的な祝祭だったかを改めて思い知った。
そう、緊急事態下でもデッドな空間でも、音楽が鳴れば「LIVE」になる。
バックステージでは、皆口々に、2本だけじゃもったいない、ツアーやフェスに出られたらと話していた。本当に、そう思う。
ギリギリの判断で開催に漕ぎつけてくれたスタッフの尽力、そして、不安もある中で会場に集まってくれた皆さんへ、改めて感謝しつつ。
月曜日は大阪。貴重な瞬間を、楽しもう。
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