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2022.3.17.(木)今も揺れるこの大地の上で

いや〜昨夜はびっくりした。


そろそろ寝ようかとベッドに横たわった瞬間、じわじわと来た揺れ。初めはめまいかと思った。だんだん部屋がミシミシし始めて、久しぶりの船酔いのような振幅の長い揺れが結構続いた。幸い、部屋の中は何一つ倒れるものもなかった。ニュースを少し観て、壊滅的な地震ではないことだけ確認しつつ、疲れていたので再び横にはなったものの、眠りは浅かった。


東北で強い揺れを体験した友人知人も何人もいた。たまたま滞在していた山形や宮城で激しい揺れに遭遇してしまった友達は肝を冷やしたと思うし、11年前に被災した東北の人々の心情は、察するに余りある。新幹線や高速などのインフラ被害も多数。被害に遭われた皆様に、お見舞い、お悔やみ申し上げます。




梅の花も散り始め、風も緩む今日このごろ。 2/24にウクライナのことをnoteに書いて以来、毎日報道に胸を痛めて、なにかできることはないかと考えて続けている。「この戦争は情報戦争でもある」という記事を何度か目にして、世界中の人々が戦争の末端に巻き込まれているのだと感じた。歴史的な視点、ロシアからの視点、さまざまな角度でなぜこうなってしまったかを調べ続けた。調べれば調べるほど、うかつなことは書くべきではないと思った。


*「ウクライナ侵攻、SNSが情報戦の最前線」 https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2203/14/news059.html

戦時中の情報は、国やメディアによって全く異なる。それを痛感したのは、1991年、湾岸戦争の最中にアメリカに滞在した時。4thアルバム「AWAKENING」の録音のために、トッド・ラングレンのスタジオがあったNY州・ウッドストックで40日間過ごしたしたのだ。この時のことは下記のnoteに詳しく記してある。先程、全文無料で読める設定にしたので、途中に貼ってある動画だけでもみてほしい。

*「湾岸戦争をアメリカから見つめて・AWAKENING / 目覚め(1991)」 https://note.com/takano_hiroshi/n/n80278729548e

日本の連日のシリアスな報道を浴び続けて、不安な気持ちのまま降り立ったアメリカだったが、戦争当時国の彼の地のテレビは、常にイケイケで、絶対に負けるはずがないといわんばかりの自信に満ち溢れ、戦時中に戦争のパロディをコントで茶化すなど、呆れるほどお気楽に見えた。言葉をすべて理解していたわけではないし、一日中テレビを観ていたわけでもないが、少なくとも日本の報道のトーンとは全く違っていた。


もちろん、アメリカ人全員がそんな気持ちでいたわけではない。一緒に録音していたプロデューサーのトッドや家族、スタッフはそんなアメリカメディアの好戦的なムードを心底嫌い、嘆いていた。「国」単位で戦争を捉えようとすると見落としてしまう、一人ひとりの気持ちを知った。




非常事態になるたび、SNS、特にツイッターのタイムラインはネガティブな情報が洪水のように溢れ出す。コロナでロックダウンしてた2020年春〜初夏、とめどない言葉のネガティヴィティを少しでも和らげたくて、花の写真を無言で投げたりしていた。戦争が始まってここ最近は、つとめて日常のことだけを書いて、動物の写真を投げている。今の自分にできることは、これくらいしかないけれど、何かの役に立つのなら。





今日もいろいろな情報が飛び込む。宮沢和史君のツアーで訪れたポーランドとウクライナ国境にある街・プシェミシル難民避難所の映像が、連日報道されている。3/16現在、難民は300万人を超えた。そのうち、ロシアに逃れた難民が15万5千人以上いるという。

*資料

なぜ、ロシアに逃れるウクライナの人々がいるのか?ウクライナの歴史は、海で国境を隔てられた日本人の考える国家のイメージからすると、あまりに複雑で多様だった。(*正確には、沖縄含め、日本もさまざまな歴史を経て今の形が定着したわけだが)

いろいろ読んだ中では、このまとめが一番平易でわかりやすかった。


*「ウクライナ問題がよくわかりません 中学生にもわかるように...」 https://bit.ly/3iu5Bxr

人種、言語、宗教、政治、さまざまなレイヤーでグラデーションを描き、モザイクのように分裂・分断している人々を、何度も何度も書き直された国境という線引きの中に閉じ込めたのが、今のウクライナという国家なのだと知った。様々な立場の見解の相違が生んだ歪が、今の戦争につながっているということだ。


黄色と青に真っ二つに塗り分けられた2010年の大統領選の結果の地図。 上記リンク https://bit.ly/3iu5Bxrより

もう少しで東京のソメイヨシノが開花する。戦争に押されてコロナの報道は以前より随分減って、小さな出来事になってしまったようにも見える(友人知人で感染する人は、今も時々いる)。平和な日本の日常が、二重三重にねじれて見える。



この戦争の、複雑でまだらな背景を、もう少し掘り下げてみようと思う。この平凡な日常を守るために、シンプルに「戦争反対」と言い続ける。来月のbandcampの売上の一部を、難民救済の寄付に充てるつもり。


*参考:オリヴァー・ストーン監督によるプーチンのインタビュー映像


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