日記を書くのも随分久しぶりになってしまった。
夏以降、ライブの本数がべらぼうに増えて(12月は7本も!)、ひとつひとつこなしているだけで半年が終わってしまった。まあそれも言い訳で、SNSを眺めている時間をもし有意義に使えたら、もっといろいろなことができたかもしれない。
スマホを手にする以前は、ぼーっと雲を眺めたり考え事をしている時間が長かった。すると空洞になった頭の中にイメージや言葉が浮かんで、いつもその種を育てて作品にしていた。
歳を重ねて、人生の残り時間に限りがあることを日々想う。来年と言わず今日から、限られた時間を有意義に使おう。
この3年間のブランクを取り戻そうと、イベントやライブが急激に増えた。海外の観光客もそこかしこで目にするようになった。「コロナって何だったの?」と思う。今でも味覚・嗅覚障害、呼吸困難など後遺症に悩む友人知人は少なくない。僕は幸い、昨年夏以降、コロナにもインフルにも罹っていない。
ツイッターがXになり、AIの作った画像や動画やテキストがそこかしこに出回るようになって、ネットもテレビも何が本当なのか嘘なのかわからなくなってしまった。以前から情報を鵜呑みにしないように、気になることは徹底的に調べる方だったけど、最近は調べれば調べるほど分からなくなることが多い。相反する立場のそれぞれが、様々な資料を引用しながらそれぞれ主張を展開していて、どちらも真実に見える。
「直感に従え」なんて言い古された言葉だけじゃ心許ない。
「直観を信じて、同時に直観を疑え」ってこと?無理難題、むりなんじゃない?
時には、雲でも眺めてぼーっとした方がいい。
*painting by Kouhei Kondo.
12月に書き下ろしの新曲「青い鳥飛んだ」が発表できてよかった。この曲ができたことでやっとコロナ禍に決別できたようにも感じている。
(画像の「▶」で再生)
この曲について、noteに詳しく書いているので良かったら。
2023年は別れの一年になってしまった。 先輩だけでなく同世代や年下の人との別れも続いた。そして続いている。
YMOの音楽や映像が流れてくると、その度に「ああ、幸宏さんも坂本さんもいないのか...」といつも思う。作品やパフォーマンスが永遠の輝きを放っているから、現実とのコントラストが際立ってしまう。
感傷に浸っている間もないほど途切れることなくライブが続いたのはいいことだったのかもしれない。自他ともに認める「YMOチルドレン」だったが、もう「チルドレン」を自負する時は完全に過ぎた。いつもそのことを胸にしまいながら、ステージに立っていた。
*2014年6月6日、高橋幸宏さんの誕生パーティーにて
昨日、SNSに流れてきた投稿で、幸宏さんのこんなコメントを読んだ。
天国から届いた幸宏さんからの激励にも思えた。
「高野クンと出会ったのは、僕が鈴木慶一と所属していたレーベルのオーディション。彼のデモ・テープは、彼のルックスとは非常にかけ離れたものがあり、どちらが悪いというわけではなく、むしろどちらも良いといってよいかもしれない。僕はそのアンバランスさに激しく静かにコーフンしてしまった。最終審査に残った彼の生の演奏を聴いたとき、といっても簡単なテープに合わせてギター1本で演奏しただけだったのだが、ううむ、やはりこいつはタダモノではないぞ、と密かに激しく思ったのだった。以来、つきあいはすでに5年、今や『高野寛』という存在自体を堂々とふりまきつつ、なおもそのスタイルを変化させている。僕のオフィスのアーティストである、というだけでなく、日本の音楽界における重要な存在であることは間違いない。いつまでも長く活動を続けていただきたい。このままずっと。僕よりも長くね。」 (出典:1991年発行『ぴあ music complex』6/5 No.42 掲載・特集「高野寛大研究」)
2023年10月で、デビューから35年目に入った。今年はゆっくり録音する時間が取れなかったので、来年前半は、まずアルバムを仕上げるのだ。そして来年は歳男、12月で還暦になる。これからも長く、活動を続けよう。
今年も一年、ありがとうございました。
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2024・1月〜2月ライブ
DUO&TRIO
1/6(土)枚方市総合文化芸術センター 小ホール『星・導・夜 winter 2024』
1/7(日)浜松・Esquerita68
1/14(日)取手・Atelier ju-tou
2/18(日)所沢・MOJO
ソロアコースティック
2/2(金)京都・SOLE CAFE*少人数限定
2/3(土) 大阪・島之内教会
ナタリーワイズ
1/19(金)下北沢・CLUB Que(畠山美由紀さんと2マン)
くわしくはこちら >> https://www.haas.jp/
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